アメリカで住まいを購入する際、日本とは異なる点を理解しておくことは大切です。日米の違いについて、まとめてみました。
豊富な中古住宅マーケット
日本では新築志向が強く、不動産の価値は一般的に築年数が古くなれば下がります。
アメリカでは、中古住宅が新築住宅よりも圧倒的に数多く取り引きされていますが、価格査定では「物件の立地」が非常に大きな要素となっています。立地が良ければ、家が古くても価値は高く、立地が悪く人気のない地域では、建物がいくら良くても価値はあまり上がりません。
また、購入してからオーナーが家をメンテナンスしていなければ、価格は低くなりますが、築年数が古くてもメンテナンスが行き届いていて、アップグレード・リモデルされていれば高い資産価値をキープできます。1軒の家だけでなく、そのコミュニティーやコンプレックスの管理が良ければ、価値が高くなります。
バイヤーは仲介手数料が不要
日本で中古住宅を買う時は、売り手も買い手も仲介手数料を支払います。
一方、アメリカでは仲介手数料(不動産エージェントへのコミッション)はセラーが全額負担しますので、バイヤーは仲介手数料を支払う必要がありません。セラーが負担する仲介手数料は5~6%が一般的で(カリフォルニア)、それがセラーのエージェントとバイヤーのエージェントで分けられます(6%の場合は3%ずつ、5%の場合は2.5%ずつが一般的)。
住宅ローンは年齢制限なし
日本では住宅ローンには借りる時と完済する時の年齢制限があります(一般的に、借入時は20歳~70歳、完済時年齢は80歳未満)。ですので、中高年から長期ローンを借りることは難しくなります。
アメリカでは、住宅ローンに年齢制限はありません。住宅ローンの審査では、借りる個人に対しては「クレジットヒストリー」「頭金の比率」「職歴」「収入と返済負担率」「口座残高」、物件に対しては「担保価値の評価」がチェックされます(詳しくは別の章で解説します)。長期ローンは最長30年となりますが、年齢とは関係なくファイナンスの状態がよければ長期でもローンを借りることが可能です。
資産価値が上がっていく理由
アメリカは日本の3倍の人口と、27倍の国土面積を有しています。テロや景気後退で、外国人へのビザ発給枠が縮小したとは言え、基本的な移民政策としては広く門戸を開いているため、アメリカへ流入する人口はこれからも増えていくと予想されています。
今後50年で、日本は人口が1億人を下回りますが、アメリカは現在の約3億人からプラス1億人以上が増えて4億人以上になると予想されています(表1)。
表1:人口動向予測(アメリカ・日本)
World Population Prospects: The 2012 Revision
(United Nations, Department of Economic and Social Affairs)
http://esa.un.org/unpd/wpp/unpp/panel_population.htm
こういった状況から言えることは、この先、住宅需要は衰えることなく高い状態を保つと予想できます。
また、アメリカでは平均7年に一度家を買い換えると言われています。独身時代から結婚、子育て、子供の巣立ち、リタイアというライフスタイルの変化に応じた住み替えが一般的です。これに加えて、転職や昇進によって職場の地域が大きく変わることもあるため、それに伴い住居を変えるケースも多いことが影響しているのかもしれません。
つまりアメリカ人は、家は一生に一度の買い物でなく、環境に応じて買い換えるものという考えを持っていますので、住宅の購入、賃貸需要が常にあります。そして物件価格はマーケットの状態によって上下しながら、長期的にはインフレととも値上がりしていきます。
こういった背景から、アメリカでは家を買うことが資産形成につながると言えるでしょう。
■RE/MAX ESTATE PROPERTIES
不動産仲介業務
■H2N
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