購入する価格帯が決まり、依頼する不動産エージェントを決めたら、いよいよ具体的な物件探しと見学のスタートです。
「購入の流れ」のところで、契約期間中にホームインスペクションを行うことをご紹介しましたが、その際にプロの調査とアドバイスを得ることができます。でも、家探しや見学を始める時点で、自分たちでも確認すべきポイントを理解しておくことが大切です。
立地の選びのポイント
家を探す際に、どのエリアに決めるのか。
最初は選択肢が多く地域も絞りきれず、広範囲に渡って物件をリサーチすることもあるかと思います。まず最初は住んでみたい地域を訪れ、車で色々回りながら
◎そこが実現したいライフスタイルに合うのか?
◎職場への通勤の距離、渋滞は?
◎日常生活の利便性はどうか?
という観点から、住みたいエリアかどうかを検討してみてください。
次に物件の広さと価格帯を調査し、購入できる価格の範囲ではどんな物件が売買されているかという相場感をつかむことが大切です。こうすることで、対象となる地域が絞られてきます。
自然災害や公害のリスクがないかどうかも重要です。元は湿地帯で埋立てた場所であったり、原油の採掘所だった土地などは、地盤や土壌の問題がないか調べておく必要があります。地盤がゆるい地域の場合、住宅の基礎や構造に大きなダメージを引き起こすリスクがあります。また、火災や水害、地震などのリスクがないかどうかも、事前に調べておくことが大切です。
最後に学校区についても、どこの通りが境界になっているか調べておきましょう。時々境界が変更されることもありますし、Zip Codeの表示と実際の行政区が異なるケースもありますので(TorranceやCulver Cityなど)ご注意ください。
- 全米の小中高校のグレードや概要が検索できるサイトwww.greatschools.org
- 各学校区のウェブサイトは教育関連情報ページをご参照ください(別ページへリンク)
一戸建て選びのポイント
物件を見学に行った際には、以下のような点をチェックしましょう。
家を外から見た時
◎外観と全体の雰囲気は自分の好みと合っているか?
道路から家を見た時の雰囲気や建物のデザインが好みに合うか第一印象は大切です。
◎屋根の状態、窓枠やドアなどはアップグレードされているか?
屋根は修繕にコストがかかる項目で、二重窓かどうかも快適性を左右します。
◎建物の外壁や基礎、ドライブウェイやパティオに大きなヒビ割れがないか?
大きなひび割れがあると地盤や基礎に問題のある可能性があります。
◎水はけが悪い場所はないか?
水はけが悪かったり、壁と土が設置している所が多く常に湿気があると、カビや建物の老朽化を早める原因となります。
◎大きな木が敷地内か近くにないか?
大木な木が建物の近くにあると、根が水道管を痛めてしまう可能性があります。
室内に入った時
◎開放感、明るさ、風通しは良いか?
風通しが良く明るい家は、快適に暮らす上で大切な要素です。
◎キッチン、浴室などの水回りの不具合はないか?
古い物件は水道管が耐久性に優れたCopperになっているか、水の詰まりがないかチェックします。水の流れが悪い場合は、木の根が下水管から中に入って管をふさいでいることもあります。
◎床、バルコニーのきしみや緩みなどはないか?
ギシギシ、フカフカした場所は白アリや湿気によるダメージや構造上の問題がある可能性もありますので、室内を一通り歩いてみましょう。
◎暖房がアップグレードされているか?
今の主流はCentral Heaterですが、昔の家だと床下暖房(Floor furnace)や壁や天井の中に暖房機器を入れたヒーター(Radiant Heater)が設置されていて、これらは故障すると取り替える部品がないなどの問題になることもあります。
◎改装した家はパーミットの有無を確認
リモデルする際は原則、市に許可(permit)を取る必要があります。未許可で増改築した物件は、その部分はローンの際の不動産価値評価の対象外となります。
コンドミニアム・タウンホーム選びのポイント
コンドミニアムならではのチェック項目を挙げました。
HOAについて
HOA(Home Owner’s Association)は、コンドミニアムやタウンホームのような集合住宅を管理運営していくために、その住宅のオーナーの代表者で構成された住民組合です。役員はオーナーの中から毎年選出され、管理・運営上の問題解決や修繕の計画・実行を推進します。小さい規模だとHOAが自主管理していることもありますが、大きい規模だと管理会社に運営や管理費の回収などを委託していることが多く見受けられます。
HOAについて確認しておきたいことは以下のような点です。
◎管理費に含まれるもの
一般的には共用部分の管理メンテナンス、ゴミ、火災保険など。光熱費は個人負担が多く、地震保険、室内をカバーする保険などは要確認。
◎管理費の値上げ予定や特別積立金(Special assessment)などの有無
先々の管理費の値上げが議論されていないか、修繕費用の補填として特別積み立てを徴収する予定がないかなどを確認しましょう。
◎オーナーとHOAの責任範囲
バルコニーやパティオはオーナーの専用使用でHOAがメンテナンス・修繕の責任を持つというケースが一般的ですが、オーナーの負担責任という場合もあるのでご注意ください。
◎ペットや共用部利用等のルール
ペットは数や大きさの制限があることもあります。リモデルについてはHOAの事前の許可必要だったり、フローリングは上層階ではフローリングが禁止または敷く際の規制を設けていることもあります。
敷地内に入った時
◎ランドスケープや共用部のメンテナンスは行き届いているか?
HOAの管理状況の良し悪しを計ることができます。
◎ランドリーやプール、駐車場から住戸への距離や動線は?
日常生活でよく利用する共用部分については、後々不便で困らないかを考えて選びましょう。
◎建物の配置はゆとりがあるか、込み合っているか?
室内はリモデルできても、建物のロケーションは替えられませんので、良く考慮することが必要です。
室内に入った時
◎日当たりや風通しは良いか?
日当たりや風通しはリモデルで換えがたい部分です。
◎バルコニーやパティオの方角と外からの目線は?
集合住宅ですが、プライバシーのある造りになっているか、角部屋かどうかも大切です。
◎天井の高さ、間取り、暖房設備は?
天井高も後で変えられない項目です。暖房設備は一戸建て同様にセントラルヒーティングにアップデートされているか確認しましょう。
◎音の問題は?
上の階の音のほうが入りやすく、また道路に近くそこが坂道だとエンジン音が気になることがあります。飛行場が近い場合はその音についても時間帯を変えて行ってみることをお勧めします。
以上、確認する項目する項目は多岐に渡っていますが、見た目は良くても大きな問題につながる不具合が見つかることもあります。結果、時にはその物件を買わない選択肢や、価格調整を要望することがありますので慎重に確認することが大切です。
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